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カーリング世界選手権、日本代表がどこか波に乗れない理由 今後の逆襲はあるのか?

  • 竹田聡一郎●取材・文 text&photo by Takeda Soichiro

世界選手権で奮闘している日本女子代表の吉村紗也香世界選手権で奮闘している日本女子代表の吉村紗也香この記事に関連する写真を見る 韓国・議政府市で開催中のカーリング女子世界選手権(3月15日~23日)は、3日目までスケジュールを消化した。日本代表のフォルティウスは、2勝3敗と黒星が先行する苦しい戦いとなっている。

 延長までもつれた韓国との初戦を落とし、欧州トップ4の一角であるイタリアから白星を奪うも、中国に敗れた。リトアニアには勝利したが、欧州王者のスイスに押し負けた。どこか波に乗れない理由のひとつに、アリーナアイスへの対応がある。

 スキップの吉村紗也香はチームのショットについて「フィーリングはすごくいい」としながらも、「アイスの読みと投げが噛み合わない」というジレンマを口にした。

 チーム全体のショット成功率は、83.4%と決して悪くはない。特にリードの近江谷杏菜は93.1%を記録し、全リードのなかで2位の数字を残している。その近江谷も「ドローウエイト、ヒットステイ、基本的なショットはできている」とチーム状態を分析する。

 やはりキーショットがオーバーカールしてしまったり、曲がり幅に齟齬が生まれるあたり、アイスリーディングのエラーが起こっている印象だ。

 そのエラーを解消するべく、中盤以降の戦いについて吉村は「その時のアイスをどれだけ読んで、工夫してショットをつなげるか」と決意を口にした。

 たとえば、刻一刻と変化するアリーナアイスを乗りこなすために、好調の近江谷のショットを散らしながらセットアップを進め、キーショットやフィニッシュが初見のパス(石の通り道)にならないような布石を打つ。そのなかで、時には大胆な曲がり幅をとって勝負をかけるなど、吉村の適切なスキップワークが求められる。

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