【カーリング】フォルティウス吉村紗也香が振り返る日本選手権の激闘 唯一敗れたロコ・ソラーレ戦は「本当に悔しかった」 (2ページ目)
――カナダ遠征を終えて、年末の軽井沢国際で優勝。年が明けて1月は、札幌で最終調整をしていたのでしょうか。
吉村 札幌だけの練習になるとひとつのアイスに慣れてしまうので、短期間ですが、常呂(アドヴィックスカーリングホール)に行って、ロコ・ドラーゴ(ロコ・ソラーレの男子部門)と練習試合をしてもらいました。その後、札幌に戻ってきて、最後はKiT CURLING CLUB(北見市で活動する社会人・学生による男子チーム)とも対戦させてもらって、しっかり狙いを持った試合ができたのもいい準備のひとつでした。
――日本選手権が開幕して、フォルティウスは1次予選リーグを唯一全勝でクリア。最終戦では、昨年王者のSC軽井沢クラブに主導権を渡さずに快勝しました。
吉村 初戦からみんながしっかりアイスを読みながら、それぞれがいい感覚を持って投げていたので、いい入りができて「決勝に向けてさらに精度を上げていこう」という話ができていました。
――ニクラス・エディンコーチとは大会中、どんなミーティングを重ねていたのでしょうか。
吉村 試合を振り返りながら、シチュエーションに合わせて的確なアドバイスをもらえたのは大きかったですね。
――2次予選リーグではロコ・ソラーレに、この大会初めて、そして唯一の黒星を喫しています。
吉村 本当に悔しかったです。
――試合を終えて、取材エリアに入ってきた吉村選手が「本当に悔しいです」と2回、繰り返したのは印象的でした。
吉村 自分たちの試合ができていただけに、ちゃんとフィニッシュできなかった悔しさがすごくあって......。もう少しうまく点を取れたエンドもいくつかあったので、そういった詰めの部分は今後の課題です。でも、内容的には自分たちのゲームだったので、「優勝するために必要な負けだったんだ」と前向きに、次の試合に向けて切り替えました。
――その言葉どおり、北海道銀行との試合はラストロックを決めて2次予選リーグを1位通過。決勝進出を決めました。手に汗握る試合ばかりでした。苦しい場面も多かったと思いますが、吉村選手は大会中、常に明るく「楽しいです」とコメントしていました。
吉村 確かに苦しい場面もありましたが、それも楽しかったです。私個人としては3年ぶりの日本選手権だったんですが、特に今年は今までで一番楽しかった日本選手権だったかもしれません。
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