世界女王の佐藤水菜が競輪祭女子王座戦で完全優勝! ガールズグランプリへ向け「もう一度基礎から作り直す」と連覇狙う (3ページ目)

  • ハル飯田●取材・文 text by Haru Iida

【一度は競技引退を考えるも決意新たに】

 表彰式では昨年のオールガールズクラシックでの優勝時に続いて地元神奈川県勢の選手から胴上げされ、満開の笑顔を見せた佐藤だったが、会見ではGⅠ優勝の喜びに浸ることなく「内容はオールガールズクラシックや昨年(の状態)に及ばないものだったので、早く練習したいです」と、飽くなき向上心をのぞかせた。

 この開催にはナショナルチームのオフも重なり、一時的に練習環境も変化。「心身ともにリフレッシュできて、普段の環境の有難さに気づける期間だった」と振り返ったが、実はパリ五輪を最後に自転車競技からの引退も考え、世界選手権の結果で自身の進退を決めるつもりだった。

 その舞台で見事に優勝を果たし「アルカンシェル()」を獲得。自転車競技との両立を続けていくことを決意したが、世界女王の座を掴んでも「(自分は)その地位に見合っていないと思っている」と自身の現在地に満足していない。
※世界選手権優勝者に授与される特別なジャージ
ガールズグランプリ連覇を狙う佐藤 photo by Takahashi Manabuガールズグランプリ連覇を狙う佐藤 photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る 競輪祭の優勝により、佐藤は静岡でのガールズグランプリ出場権を獲得。他6選手も出揃い2024年シーズンも大詰めを迎えつつあるが、こうなれば当然期待がかかるのは佐藤のグランプリ連覇だ。

「一周先行して勝つような、レースで強いと思ってもらえる存在になりたい。そこに面白みを感じているので、なりたい自分になれるよう、もう一度グランプリまでに基礎から作り直して頑張ります」

 高い理想像を抱きチャレンジを続ける25歳の女王は、まだまだ強くなっていくはずだ。

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