東京六大学「蓋」野球2連覇中! 東大生たちが「キャップ野球」にかける、ゆるさと情熱の間にある青春 (3ページ目)

  • 小林 悟●取材・文 text by Kobayashi Satoru
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

【投高打低の競技だが東大は打のチーム】

 バッターボックスに立たせてもらうと、「打ちやすいコースだ!」とついバットを振るが、当たらない。見極めが難しい魔球だ。これだけ多彩な変化球があると、打つほうは難しい。

力に頼らずとも速球や変化球が投げられるのが競技の楽しさ力に頼らずとも速球や変化球が投げられるのが競技の楽しさこの記事に関連する写真を見る

バッター不利と思いきや、練習中は鋭い打球が飛んでいたバッター不利と思いきや、練習中は鋭い打球が飛んでいたこの記事に関連する写真を見る

 しかし、バッティング練習に入ると体育館内に快音が立て続けに響く。

「キャップ野球は投高打低の競技です。でも、うちはどちらかというと"打"のチームで打率が高めなんです。その分、防御率はあまりよくないんですけど......」

 九町さんがそう話す傍らで、無駄のないスイングでキャップを打ち返すのは2年生の安達雅人さん。「ここ最近はスランプ気味で......」と謙遜するが、打率2割なら上出来と言われるキャップ野球で、2023年の新人戦では約5割を記録。打線の主軸を担う存在だ。

「キャップ野球はマウンドとホームの間隔が野球の半分しかないので、ピッチャーがリリースしてからスイングし始めても間に合いません。高校ではバスケをやっていたので、詳しい野球理論はわかりませんが、バットを振るタイミングを合わせることを第一に考えています」(安達さん)

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