体感球速はメジャーリーガー以上?! 東大生が「キャップ野球」の魅力を解説「ウィルキンソンの蓋はスピードが出やすい」 (3ページ目)
【体力や経験を問わずみんなで楽しめる】
ピッチングの種類が多岐にわたる分、打つほうは苦労しそうだが、実際のところどうなのだろう?
「バットは(野球に似たスポーツの)ウィッフルボールのもので代用しています。プラスチック製でとても軽いんですが、野球のバットより細い。公式戦の規定では太さが66ミリ未満と定められています。小さなキャップを打ち返すのはたしかに難しく、野球での3割バッターが、キャップ野球だと2割バッターといったところでしょうか。基本的に"投高打低"の競技ですね」
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打撃での活躍が野球ほど期待できないとなると、サークル内でピッチャーの座を争うことになるのだろうか。
「キャップ野球がみんなで気軽に楽しめる大きな理由でもあるんですが、ピッチャーの交代が頻繁に行なわれるんです。1チーム5人で戦いますが、指名打者も登板できるのがキャップ野球。最大3人まで指名打者を登録できて、試合状況に応じてどの選手もマウンドに立つチャンスがあります。そのため、もっとスピードを出すにはどうしたらいいか、変化球の落差を大きくするにはどうしたらいいか、それぞれ考えて話し合って投げる練習をしています」
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では、キャップ野球の魅力とは?
「メジャースポーツを大学から始めるとなると技術や体力が追いつきませんが、キャップ野球は基本的にみんな初心者。体格差もあまりが関係なく、頭を使って工夫することで上達することも多いので、スポーツ経験のあるなしに関係なく、みんな一緒に楽しめるところですね。その気になればペットボトルのキャップさえあれば始められる。この気軽さでこれからもっと広がっていくんじゃないでしょうか」
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著者プロフィール
小林 悟 (こばやし・さとる)
フリーライター。1981年、福井県生まれ。週刊誌『サンデー毎日』(毎日新聞出版)、『週刊文春』(文藝春秋)、『集英社オンライン』(集英社)などで食や暮らし、スポーツにまつわる話題を中心に執筆。
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