梅川風子が「過去一番悪い」なかで「不思議」な完全優勝 最強・佐藤水菜への宣戦布告を有言実行 (3ページ目)

  • ハル飯田●文 text by Haru Iida

【グランプリで4年前のリベンジを誓う】

「前も似たような展開になったことがあって、その時に冷静さを欠いて早く持ち出しての失敗を数多く経験していたので、今日は冷静に待てました。今回の開催は車番(レースごとに設定される選手番号)に恵まれたなと感じていて、勝ち上がり順位がキーにもなるといい勉強になりました」

 会見場でも冷静にレースを回想した梅川にとって初のGⅠタイトルは、同時に通算200勝のメモリアルでもあり、そしてガールズグランプリの出場権獲得も意味する。ガールズケイリンへの参戦機会が限られる梅川にとって、この1勝はあまりにも大きい。

 厳しいコンディションでの戦いとなった小倉の3日間を「できすぎです。よく戦った自分を褒めたい」と本人は笑ったが、休む間もなく沖縄での合宿を経て年末の祭典ガールズグランプリへ臨む。

「前回立川で出場したグランプリ(2019年)では落車になってしまったので、リベンジを果たしたいです」

 そう力強くコメントした梅川は自転車競技でパリ五輪を目指しており、来年1月のネーションズカップにいい状態で挑むためにも、12月29日のグランプリは必ず状態を上げて挑みたい一戦になるはずだ。

 競輪祭を終えて、ガールズグランプリ2023に出場する7選手も決定。梅川を含む3人のGⅠ覇者と賞金ランキング上位者が、年間女王の座を争い火花を散らす。もちろん、オールガールズクラシック覇者として出場権を持つ佐藤との再戦にも注目が集まる。

 GⅠ開催新設でスタートしたガールズケイリンの2023年もあと1カ月。激動の1年を締めくくる女王を決める戦いへ、役者は出揃った。

【Profile】
梅川風子(うめかわ・ふうこ)
1991年3月1日生まれ、長野県出身。4歳の頃からスケートを始め、スピードスケートの選手として全日本学生スピードスケート選手権500mで優勝を飾る。24歳でスピードスケートを引退して日本競輪学校(現日本競輪選手養成所)へ入学。26歳でデビューし、翌年にはガールズグランプリに初出場を果たす。ナショナルチームにも所属し、パリ五輪出場に向けて二足の草鞋を履いて奮闘中。

【画像】ガールズグランプリ出場を決めた梅川風子

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