ガールズグランプリ直通切符を賭けた最後のGⅠ迫る 山原さくら、梅川風子が語る勝負のカギとは (3ページ目)

  • ハル飯田●文 text by Haru Iida

 自ら「活動場所であり収入源」と表現するガールズケイリンで大きな結果を残すためにも、ここは是が非でも結果が欲しいはずだ。

 ここ2年はガールズグランプリの舞台から遠ざかっている梅川だが、2018年から3年連続での出場経験を持つ。過去には小倉で開催されたガールズグランプリトライアルレースを制して出場権を獲得しており、経験値に不足はない。

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【小倉のバンクで問われる「動く勇気」】

 競輪祭女子王座戦では、既にガールズグランプリ出場を決めている児玉碧衣、佐藤水菜も「GⅠ二冠」を目指して出場してくるとあって、ハイレベルな争いとなるのは間違いない。

「児玉選手も佐藤選手も強いので、本当は『出ないで』と思いますけど、こういう機会だから学べることもあります。トップ選手はスピード感もレース前の集中の仕方も一流だなと感じますし、年々ガールズのレベルも上がってきていると思います」(山原)

「サトミナ(佐藤水菜)は練習相手なので強さを知っていますし、レーステクニックも他の人にないものを持っていると思います。今のガールズケイリンはレベルが上がってスピードが同等になってきた分、さらに上に行くためにはテクニックやレース戦略も必要になっていると感じますね」(梅川)

 山原、梅川、両選手ともガールズケイリン全体のレベル向上を実感し、トップ選手を意識した戦術を組み立てている。そこで鍵を握るのは、全天候型としては世界最大規模の小倉競輪場のバンクだ。屋内のため条件は常に無風で、傾斜も急こう配。スピードが落ちづらく、高速バンクと評されることも多い。

 山原が「いいメンバーのなかで後方になってしまうときついので、早めに仕掛けられるように練習を積んでいきたい」と語れば、梅川も「動かなければ動かないほど強い選手に展開が向く。いかに自分で動かす勇気を持てるか」を勝負のポイントに挙げた。

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