ガールズグランプリ直通切符を賭けた最後のGⅠ迫る 山原さくら、梅川風子が語る勝負のカギとは (2ページ目)

  • ハル飯田●文 text by Haru Iida

「今年はビッグレースをたくさん走らせてもらえて、収穫のあるレースも多かったです。(競輪祭では)他の選手もグランプリを狙って来ているので簡単ではないですけど、まずは決勝に乗らないといけないと思っています」

 今夏の山原は自らも驚くほどの絶好調ぶりを見せ、勝利を積み重ねた。その反動もあってか一度は調子を落としてしまった。それでも、再び「体も動いて粘りもダッシュの感じもよかった」今夏のコンディションと同様に仕上げられれば、勝機は十分にあると踏んでいる。

ガールズグランプリ出場を目指す山原 photo by Takahashi Manabuガールズグランプリ出場を目指す山原 photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る

【「競技者にも平等にチャンスがある」梅川風子】

 自転車競技のナショナルチームとの両立でガールズケイリンへの出場機会が限られている梅川風子(東京/112期)も、グランプリへの直通切符の貴重さを痛感している。

 梅川は「最初で最後のチャンス」との強い意気込みで2024年パリオリンピックへの出場を目指しており、自転車競技の各種大会への出場が活動の軸となっている。今回の競輪祭女子王座戦も、直前に自転車トラック競技の大会「ジャンパントラックカップ」への出場が予定されているハードなスケジュールだが、それでも虎視眈々とグランプリの権利を狙う。

「GⅠが新設されたことで自分たちみたいな競技者にもチャンスが生まれたと思います。正直、楽なスケジュールではないですけど、(ジャパントラックカップと違って)ガールズケイリンは1日1本に集中すればいいので体力的になんとか『しのげる』という表現が正しいですかね」

 今年はUCIトラックネーションズカップ第1戦(2月)のケイリンで銅メダルに輝くなど「気負いなく走れて結果も伴った」と成果を挙げたが、「(8月の)世界選手権では固くなってしまった部分もあった」と振り返る。「ガールズケイリンでは修正点をひとつひとつレースで修正している段階」と自己評価するように、飽くなき向上心を持って"二刀流"をこなしている。

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