秀岳館、松戸高校...、表面化する部活動での暴力。伊藤華英が考える「帝国」を打破する方法と第三者の必要性 (4ページ目)
ただ総合型スポーツクラブが身近にある学校はいいのでしょうが、そんな地域ばかりではありません。学校によっては部活動だから成り立っているスポーツもありますから、外部指導者をアサインするのが難しいところも出てくるはずです。実際に知り合いの先生に聞いたところ、部活動を地域移行にするために、相当な調整が必要になってくることから、今後について大きな不安を持っていました。
今後、部活動が地域に委ねられていくことにより、改善していく問題もあるかと思いますが、しっかりとしたルール、制度を作っていなければ、暴力やパワハラはなくならないかもしれません。日本では部活文化が完全に根づいてしまっていますので、部活動の地域移行が健全な形で根づいていくかどうが、これから先、注視していく必要があると思っています。
【Profile】
伊藤華英(いとう・はなえ)
1985年1月18日生まれ、埼玉県出身。元競泳選手。2000年、15歳で日本選手権に出場。2006年に200m背泳ぎで日本新、2008年に100m背泳ぎでも日本新を樹立した。同年の北京五輪に出場し、100m背泳ぎで8位入賞。続くロンドン五輪では自由形の選手として出場し、400mと800mのリレーでともに入賞した。2012年10月に現役を引退。その後、早稲田大学スポーツ科学学術院スポーツ科学研究科に通い、順天堂大学大学院スポーツ健康科学部博士号を取得した。現、全日本柔道連盟ブランディング戦略推進特別委員会副委員長、日本卓球協会理事。
■インスタで「スポーツと生理」の教材を配信
伊藤華英さんがリーダーを務める「1252プロジェクト」。これは女子学生アスリートを中心に、10代の若者が抱える「スポーツと生理」にまつわる課題に対し、トップアスリートの経験や医学的知見をもって、情報発信をしているプロジェクト。その一環として、2022年3月より、インスタグラムで手軽に学べる「スポーツと生理」の次世代型オンライン教材『1252 Playbook』を配布した。
Instagram:1252project>>
【画像】女性アスリートを取り巻く問題を語る元選手たち
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