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大食いはスポーツかエンタメか。MAX鈴木が語るアスリートの自負「認められるまであがき続けたい」

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 立松尚積●撮影 photo by Tatematsu Naozumi

フードファイターMAX鈴木インタビュー後編
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日本人フードファイターとして現役最強を誇るMAX鈴木さんにインタビュー。前編では、フードファイトの道へ進んだきっかけや大食いの秘訣、トレーニング方法などを語ってもらった。後編では、YouTuberチャンネルも人気のMAX鈴木さんに、大食いにおける競技とエンターテイメントの違い、アメリカと日本における文化の差異をじっくり聞いた。

大食いを取り巻く文化について語ったMAX鈴木さん大食いを取り巻く文化について語ったMAX鈴木さんこの記事に関連する写真を見る

1分1秒、命をかけて食べている

ーー前編で聞いた大食いのトレーニングは、緻密かつ科学的で驚きました。競技では他にも大事なことはありますか?

MAX鈴木
 メンタルがすごく大切です。僕の場合、自分のことだけに集中できれば勝てます。試合の際は、自分の頭の中で制限時間内にどんなペースで食べるのかというプランを描き、それに沿って淡々と食べるようにしています。でも周りが気になり出した瞬間に負けますね。2016年の「大食い王決定戦」(テレビ東京系列)がまさにそうでした。周囲を気にしすぎて、自分のペースが乱れてしまいました。だから試合中は「どうやったら集中できるのか」、それだけを考えています。

ーー大食いという競技では「味わったら負け」ともおっしゃっていますね。

MAX鈴木 負けです。メシを食いに来ているわけじゃないんです。僕にとって大食いは戦い。「おいしいですね」とパフォーマンスで言うんだったらいいですが、戦いの場では「何を言っているの?」という話になりますよね。大食いへのそういう姿勢は正直、ムカつきます。スポーツとして大食いをやっている側から言わせてもらうと、「いや、おいしいとか言ってる暇があったら、少しでも食べろよ。こっちは1分1秒、命をかけているんだから」という感覚です。

 僕の師匠のジャイアント白田さんは、命がけで1分1秒でも速く、1gでも多く食べるという思いで必死にトレーニングを積んでいました。でも試合で、きれいに食べるとか、そういうところばかりがクローズアップされるので、引退を決意されたと聞きました。そこで引退せずにアメリカに渡ったのが小林尊さんだと思います。小林さんはニューヨークで毎年開かれる「ネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権」で6連覇(2001〜2006年)しています。僕は小林さんの背中を追いかけて、今につながっています。

ーーYouTubeで大食いチャレンジの動画を毎日アップしていますが、競技に向けてのトレーニングという意味があるのですか?

MAX鈴木 正直、YouTubeは競技のトレーニングにはなりません。とりあえず胃袋を現状維持させるという感じですね。

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