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ギャンブル中毒、借金まみれで「人生詰んだ」。MAX鈴木がどん底から日本一の大食い王に変われた本当の理由 (4ページ目)

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 立松尚積●撮影 photo by Tatematsu Naozumi

知られざる大食いトレーニングの世界

ーーその3カ月間、どういうトレーニングをしたのですか?

MAX鈴木
 高田馬場に「表裏」という、辛いラーメンと唐揚げが有名なお店があります。そこで働いている方で、アニキと呼んでいる松下さんという恩人がいるんです。大食いの友だちの大畑花蓮ちゃんに紹介してもらったのですが、そのアニキにトレーナーになってもらい、トレーニングを重ねました。筋トレとかランニングはしないです。簡単に言うと、アニキの指示に従って食べて、試合用の胃袋をつくり上げるというものです。

 たとえば、制限時間を1時間として、ラーメン10杯とかカレー8kgとかを食べるとすると、15分ごとに体重を計り、食べる様子を全部動画に撮る。その時にわかったことをメモし、動画を見ながら反省ポイントをあげて、復習を繰り返す。そして、次のトレーニングにつなげるという作業をしました。それを今も続けています。

ーー15分ごとに体重を計ることに、どういう意味があるのですか?

MAX鈴木 毎日、食べる量と時間を決めることで、胃袋に何キロ詰め込められるのかが正確にわかってくるんです。たとえばですが、30分間で7kgを食べようとすると、固形物が5キロで水分が2kgという具合にデータが取れます。詳細は秘密なのですが、アニキと二人三脚でトレーニングというか実験を繰り返し、胃袋をつくり上げるノウハウを3年くらいかけて習得しました。

 一口に大食いと言っても、大食い、早食い、早大食いという種類があります。それぞれで胃にかかる負荷が全然違うんです。一番ラクなのは大食いで、キツイのは早大食い。ビニール袋にいきなりバッと空気を入れると破れるじゃないですか。ゆっくりとちょっとずつ入れると、ビニール袋は広がっていきますよね。それがトレーニングのヒントです。

インタビュー後編につづく 

撮影協力/「豚大学 神保町校舎」

【プロフィール】
MAX鈴木 まっくす・すずき 
フードファイター。本名は鈴木隆将。1980年、東京都生まれ。2015年の「元祖!大食い王決定戦」(テレビ東京系列)で初めて大食いの大会に出場し、いきなり完全優勝を果たす。その後、2017年、2020年の同大会でも優勝したほか、2018年の「全日本わんこそば選手権」では大会新記録632杯を達成。2018年、2019年には「ネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権」に出場して、それぞれ決勝7位、決勝5位の記録を残す。自身のYouTubeチャンネル「MaxSuzuki TV」は70万近くの登録者数がいる人気ぶり。

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