二階堂亜樹、プロ雀士歴24年目の境地。「手痛い失恋をしても、麻雀を打っている時は忘れられる」 (4ページ目)

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

---- 実家が雀荘だった亜樹選手は、4〜5歳で麻雀を覚えてから麻雀が好きでプロになりました。好きなことを職業にするのは誰もが一度は憧れることですが、好きなことを仕事にする苦しみもあると思うのですが。

「そうですね。でも、麻雀しかできないですから。達成感もまだ感じたことはないので、それを感じられる日がくるといいなとも思うし、その日のために一生懸命練習する感じですよね」

---- 亜樹選手にとっての達成感の基準はどこにあるのでしょう?

「自分の麻雀に満足した時だと思うんですね。目標のひとつが、自分の麻雀を振り返った時に『今日打った麻雀は100点だった』と思える麻雀を打つこと。でも、いまだに一度もなくて、『ちょっとよかった』とか『ダメだった』ばかり。胸を張って『100点!』と言える麻雀を打てたら、満足するし、達成感を感じるのかなとは思っています」

---- 女流雀士のトップランナーとして駆けてきたプロ雀士生活も、今年で24年目です。これからのビジョンや理想像があれば教えてください。

「麻雀プロを引退となった時に『いい打ち手だったね』と言われるような麻雀を打ち続けていきたいですね。日本プロ麻雀連盟・前会長の灘麻太郎さんは今85歳なんですが、麻雀がめっちゃ強くて、しっかりしているんですよ。年齢だけではなく、麻雀力の維持も求められますけど、私もあと30年くらいは競技プロ雀士でありたいなという感じです」

---- 30年後で70歳。想像つかないです。

「プロ雀士になって24年目で、それよりも長い時間の先にあるものですからね。そう考えると、30年後が楽しみです」

(後編につづく)

【profile】
二階堂亜樹(にかいどう・あき)
1981年11月15日生まれ、神奈川県鎌倉市出身。雀荘を営む実家で育ち、幼少期から麻雀に親しむ。1999年に史上最年少でプロ雀士デビュー。日本プロ麻雀連盟所属。2018年にEX風林火山からドラフト指名を受けてMリーガーとなる。姉は同じチームに所属する二階堂瑠美。

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