2022.01.14

メダル候補でも資金難で危ぶまれた競技生活。スノーボード飛田流輝は北京五輪で「ど派手にジャンプを決めます」

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

【僕のジャンプは見栄えがいい!】

 3歳でスノーボードを始めた飛田は、小学校低学年時にはハーフパイプで年代別大会の関東大会に優勝し、全国大会でも2位となった。中学から高校にあがるタイミングでオリンピック出場を意識してスロープスタイルに転向した。

「もともとハーフパイプをやっていたんですけど、ハーフパイプの日本人選手の層の厚さと自分の持ち味を見つめ直した時に、ジブは得意だったのでジャンプを磨けば五輪は夢じゃないと思い、そこからスロープスタイルを練習するようになりました。高校3年の時に平昌五輪があって、それを見て4年後はこの舞台で勝負してやると思いました」

「ジブは得意だった」という飛田 photo by Getty Images「ジブは得意だった」という飛田 photo by Getty Images この記事に関連する写真を見る  ジブとは、600m〜1000mほどの斜面を滑走して繰り出した技の採点を競うスロープスタイルの前半部に設定されたセクションで、ボックスやレールなどの障害物を使いながら滑っていく。後半部のセクションはキッカーが設置され、選手たちはそれぞれのスタイルを出しながらジャンプを繰り出していく。

 ジャンプのトレーニングを積むことで、飛田はスロープスタイルで世界トップを争うまでになったが、その副産物的にビッグエアでも目覚ましい進歩を遂げた。

 3本のジャンプを行なって、回転数の異なる2トリックの合計点で争われるビッグエアで、2020年3月の世界選手権で4位。バックサイド1620ステイルフィッシュで90.50点という高得点をマークすると、逆転優勝を狙ったラスト3本目のランではフロントサイド1800(5回転)の大技を繰り出して着地に成功しかけたが、勢い余って前方に投げ出された。

「あれが決まっていたら優勝でしたね。僕のジャンプは人より高さはあるし、遠くに飛べるんで見栄えがいいんですよ。自分で言うのもなんですけど(笑)。コロナ禍になってからはウエイトトレーニングをしっかりやって筋力アップしたので、自分自身でも世界選手権からどれくらい進化したかを確かめるのが楽しみです。着地を決めれば点数は出ると思っているので、筋力アップした分と自分のイメージを微調整していけば、北京五輪ではエイティーン(フロントサイド1800)を決められると思っています」

 自身初めて5回転に挑んだ世界選手権から2年。その間、国際大会は中止が続いたなかで『いまできること』に最大限に注力してきた飛田にとって、北京五輪で大きな成功を手にするためには、失われた試合勘を北京五輪までの今シーズンで取り戻すことにある。