武井壮が「認識を改める必要がある」と考えるスポーツとスポンサーの関係。フェンシング界で取り組みたい新たな試み (3ページ目)

  • 津金壱郎●取材・文 text by Tsugane Ichiro
  • 松永光希●撮影 photo by Matsunaga Koki

――「芸能株式会社」のタレントとして築いた人脈は、フェンシング協会でも使おうと考えていますか?

武井 そのつもりですし、実際に動いていました。11月6日に「全日本フェンシング選手権(個人)」の決勝が行なわれますが、もともと予定されていた10月上旬に開催できれば、総合格闘家でありYouTuberとしても人気の朝倉海選手と、ボクシング界の「KOダイナマイト」と呼ばれた内山高志さんの"フェンシングマッチ"を予定していました。大会が延期になってスケジュールの関係で流れてしまいましたが、いずれこうした夢の対決をどんどん実現していきます。

 この2人に限らず、フェンシングは"異種格闘技"を行なう場として活用できる競技だと思っています。例えば、身長2mのバスケットボール選手と、スピードがある身長160cmくらいの陸上選手が対戦したら、どちらが勝つのかといった結果が読めない試合ができる。そういう試合を既存のフェンシング大会に組み込めたら、公式戦でもエンターテインメント性を増すことができます。こうした異種格闘技は「どんな結果になるの!?」と楽しめるエンターテイメントになり、その直後に世界トップレベルのフェンサーの試合を見たら、よりプレーのすごさもわかるのでいいと思います。

――お話に出ました、日本選手権の見どころを教えてください。

武井 史上初の屋外、六本木ヒルズアリーナで行なわれる日本選手権です。開催の延期が幸いしたこととしては、有観客で行なうことができることですね。天候が崩れるリスクはありますが、これまでにないさまざまな演出を用意しているので、より多くの人に楽しんでいただけると思います。

――エペ、フルーレ、サーブルの3種目で行なわれる、男女それぞれの決勝戦の注目ポイントは?

武井 オリンピアン12人のうち8人が決勝に進出していて、男子エペ団体で金メダルを獲得したひとりである加納虹輝(こうき)選手も残っています。一方で、その金メダリストのひとりが予選で敗退しているように、各種目でハイレベルな試合が繰り広げられることは間違いないなく、大番狂わせが起こる可能性も十分にあるでしょう。

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