リオ五輪で失格→猛抗議して銅メダル獲得。日本を強豪に押し上げた男 (2ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

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 しかし、序盤でリードしても途中で失速することがあるディニズ。前年の世界選手権優勝のマテイ・トート(スロバキア)や、2位だったジャレド・タレント(オーストラリア)らはディニズを追わず、レースが落ち着いた6km過ぎから9人で追走集団を形成した。

 その中で日本勢の主役になったのは、世界選手権メダリストの谷井ではなく、荒井だった。

 その後、森岡紘一朗が早々に後ろの集団に下がり、谷井も21km付近でペースを落としてしまう。結局、追走集団に残ったのは荒井だけになった。

 世界選手権後、ケガなく充実した練習ができていたという荒井は、タレントやエバン・ダンフィー(カナダ)のゆさぶりにも過剰に反応することなく、状況に応じた冷静な歩きをした。すると、32km過ぎからディニズが失速。40㎞手前で5人のトップ集団を形成した。

 その直後、タレントが勝負をかけるとトートが追い、荒井もトートについてタレントを追う。44㎞では荒井とトートのふたりが抜け出しタレントを追う形になった。

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