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小林陵侑の活躍で男子ジャンプはレベルUP。
W杯札幌大会で成果を見た (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 岸本勉●写真 photo by Kishimoto Tsutomu

「今日もそんなにいい条件ではなかったですが、その中ではいいジャンプができたと思います。でも、もうちょっと足りないな、という感じがした試合でした。悔しいけど、安定した力を出せたのはよかったと思います。今の状況では総合優勝に関して、ちょっと厳しいかなと思いますが、僕は僕のできるジャンプを一本ずつやっていくしかないので......。このあとは、2戦後にフライングヒルもあるので、それを楽しみにしています」

 こう話す小林を、ナショナルチームの岡部孝信コーチは「昨日の悔しさもあっただろうから1本目は少しミスをしていたし、いい時の飛び出しとはまだ少し違っているけど、それでも3位になったのはすごいこと」と評価する。

 また、所属チームの監督でもある葛西紀明は「完全に勝てる試合を落としたのは、以前の僕と一緒ですね。一番勝ちたいと思う地元で優勝できないのは本当に悔しいから......。昨季ができすぎ、というのもあるかもしれないけれど、今季もそんなに悪くない。今は風が当たるか当たらないかだけで、(順位が)一気に変わってしまうくらいに世界のレベルが上がっている」と話す。

 そんな世界のレベルに日本が対抗できるようになったのは、昨季の小林の圧倒的な強さが原因だろう。彼の活躍に刺激を受け、佐藤幸椰が2勝できるまで力をつけてきただけでなく、22歳の佐藤慧一(雪印メグミルク)も今回の第2戦では自分のジャンプを2本そろえて自己最高の12位に入っている。

 荒れる大倉山の風に翻弄される試合ではあったが、日本チームとしては成果を感じる大会になった。

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