2019.11.18

番組のピンチを救った男が明かす、
スポーツ『SASUKE』の勝利学

  • 本田雄士●撮影 photo by Honda Takeshi 協力/TBS

(1)SASUKE専用のトレーニングが足りない

 例えば、卓球というスポーツがあります。卓球がうまくなりたいから、あのラケットのスイングに必要な筋肉を鍛えるための筋力トレーニングだけをしています──。こういう人がいたとして、これだけでは卓球はうまくなりません。

 SASUKEも他のスポーツ同様に、筋力+そのスポーツ独自のノウハウを身につけなければならない──幾多の失敗を経て、僕は至極当たり前ともいえるそうした結論に辿り着きました。そしてそれが正しかったことは、その後のSASUKEで証明することができたかと思います。

 逆に言えば、運動神経が悪くても、各エリアの特性を熟知し、メンタルコントロールを完璧にできれば良い成績を残すことも可能です。

 僕は学生時代、全教科で体育が最も苦手な少年でした。野球をやらせても平凡なフライすら満足に捕れず、バスケやサッカーはドリブルが精一杯。球技全般は昔から、からきしダメです。

 野球、サッカー、卓球などのスポーツと同様、SASUKEで好成績を残すためには、筋トレに加えてSASUKE専用のトレーニングも必要である。……ある意味僕は、それを最も体現している選手といえるかもしれません(笑)。

(2)目標が不明確で、目標達成のために必要な準備ができていない

 SASUKEの歴史の中で唯一、二度の完全制覇を達成した漆原裕治選手は、「SASUKEは競技の幅が本当に広い」というようなコメントを残されています。

 例えばSASUKEの1stステージは、トランポリンで跳んだり壁を駆け上ったりと、主に脚力、全身持久力、テクニックなどが要求されるステージです。なので、走り込み、各エリアの特性の研究、イメトレ等を中心に対策することが必要です。

 続く2ndステージには数十キロの壁を持ち上げる「ウォールリフティング」というパワーが試されるエリアや「バックストリーム」という泳ぎが要求される水中エリアが。そして3rdステージには「クリフハンガー」「バーティカル・リミット」といった指の力だけで自重を支え、移動するSASUKEの名物エリアが登場します。軽く挙げただけでも、実にバラエティに富んでいるのがわかります。

3rdステージの最難関エリア「バーティカル・リミット」を突破していく森本(第36回大会)