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番組のピンチを救った男が明かす、
スポーツ『SASUKE』の勝利学 (4ページ目)

  • 本田雄士●撮影 photo by Honda Takeshi 協力/TBS

「これだけ多岐に及ぶエリアを攻略しようと考えるのなら、目標を設定せずにただ漫然とトレーニングをしていてはだめだ」。このことに僕は、高校の後半くらいになってようやく気づきました。

 当時の僕は「練習をやればやるほど強くなれる!」と信じていました。量だけは20年のSASUKE人生の中でもトップクラスで、15kmのランニング、山道ダッシュ、懸垂300回、あとは各エリア練習を力尽きるまで......というようなことを毎日やっていました。でも、SASUKE本番ではまったく成果を出せず、先にも挙げましたが、4回連続で1stステージリタイアというひどい成績でした。

 しかし、高校の高学年〜大学あたりになって、自分の目標やSASUKEの特性に合わせたトレーニングをするようになりました。すると、トレーニングの量や強度は減っているはずなのにみるみるうちに成績が伸びていき、すぐに毎大会100人の出場者の中でもトップの成績を収められるようになりました。

 やみくもに体を鍛えるだけでなく、自分の目標は何で、そのためにはどんなトレーニングが必要なのかを徹底的に考えること。それがSASUKE攻略には必須であると僕は考えています。

(3)本番になると、とたんに力が発揮できない。

 (1)と(2)ができているのに、本番では力が発揮できないということもあります。

「スタート台に立ったら頭が真っ白になり、気づいたらずぶ濡れになってインタビューを受けていた。あんなに努力したのに......」

 こういう経験をされた方は、実はSASUKEには非常に多いのです。

「SASUKEは、100パーセント『メンタル』なんです」

 番組の総合演出を務める乾雅人さんの言葉です。多くのスポーツがそうであるように、"究極の一発勝負"であるSASUKEにおいても実はメンタル......「心技体」でいうところの「心」の部分をどう仕上げるかが最も重要な作業となります。

番組プロデューサー村口太郎(左)と、番組総合演出の乾雅人(右)番組プロデューサー村口太郎(左)と、番組総合演出の乾雅人(右)

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