中部電力、世界トップへの再出発。
第一関門PACC突破にも自信アリ
「満足感と悔しさは半々でした」
今年2月に札幌で開催された日本カーリング選手権を制し、3月にチームとして2度目の世界選手権(デンマーク・シルケボー)出場を果たした中部電力は、前回出場の2013年大会(7位)を上回る4位入賞という結果を残した。
これは日本代表としても、ロコ・ソラーレの準優勝(2016年大会/カナダ・スウィフトカレント)に次ぐ好結果だった。ラウンドロビン(予選リーグ)では、強豪カナダ代表から金星を奪うなど、世界のトップと互角以上に戦えるチーム力を存分に示した。
しかし大会後、フォース(※1)の北澤育恵は、「世界の舞台で戦えたのは自信になる」と手応えを口にしながらも、冒頭のようなコメントを残して、チームも、選手個々も向上の余地があるとした。そのうえで、さらなる高みを目指す意欲を見せて、こう語った。
※1=4番目に投げる選手でフィニッシャーの役割を担う。
「私にはまだ(最後のショットで)決め切る力が足りない。それは、世界選手権のような試合経験の中でしか養えないと思っています。最後の(プレッシャーがかかる)状況は、練習では決して作れないので、今はとにかく世界の強い相手と真剣勝負をたくさんしたい」
そうして迎えた今季、中部電力は8月のどうぎんカーリングクラシック(札幌)でシーズン入りし、9月上旬からはカナダ遠征をこなした。およそ3カ月で7大会を戦ってきたが、そのうち、クオリファイ(予選通過)は2度のみ。その戦績は、世界4位で、日本代表という肩書きを持つチームとしては、やや物足りないと言わざるを得ない。
日本選手権で全勝優勝を成し遂げたチームではあるが、慣れない渡航先でカーリング中心の生活サイクルを築くこと、国内のチームとは違った角度から攻めてくる現地チームの戦術への対応などが、大きな課題として挙げられる。
チームは、10月下旬にカナダから一時帰国し、中1週間で今度は中国に旅立たなければならない。11月2日から深圳で開幕するパシフィック・アジア選手権(以下PACC)に日本代表として出場するためだ。
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