カー娘だけじゃない。男子日本代表、コンサドーレがアジアの頂点に (3ページ目)

  • 竹田聡一郎●取材・文 text&photo by Takeda Soichiro

「あいつ、アイスの中だけじゃないっすよ。(アイスの)外でも、いつも遠慮なく、生意気です」

 松村はそう言って笑うが、「でも、本当に今回は(谷田に)助けられた。緊張せず、チームに欲しい情報を常に提供してくれた。大会MVPは、間違いなくヤス(谷田)です」と、頼もしい後輩を絶賛した。

 新メンバーに清水を迎えた今季のスタートでは、「ポジションもまだ探り探りやっている」と試行錯誤を重ねてきたが、2度のカナダ遠征などで「速いショットを持つセカンド(谷田)とサード(清水)が、チームの武器になってきた」と松村。そこから、現在の阿部→谷田→清水→松村という布陣の手応えをつかみ、日本の男子チームとして、海外のツアーで初の優勝も果たした。

 それに加えて、今回で得た"アジア王者"という肩書きは、より大きな責任やプレッシャーを伴いながらも、規模や賞金額の大きな大会への切符となっていくことだろう。

 メンバーはこのあと、札幌や北見などにそれぞれ戻って、1週間ほど各々の仕事や学業をこなし、札幌での合宿を経て、12月上旬に開催されるW杯セカンドレグに日本代表として派遣される。

「チーム状態はよくなってきている。でも、世界で戦うためには足りない部分がまだある。勝負はこれから、です」(松村)

 コンサドーレの挑戦は始まったばかりだが、早くも日本男子カーリング界に新たな可能性をもたらした。世界で躍進を続ける女子に続いて、世界で結果を残す日も遠くないかもしれない。

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