新境地開拓。パワーを強化した髙木美帆は葛藤を楽しんでいる

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 1週間前のジャパンカップは、500mで2位、1000mで1位だった髙木美帆(日体大助手)。W杯代表選考会を兼ねる全日本距離別選手権では4種目に出場し、500mは小平奈緒(相澤病院)に次ぐ2位だったが、残りの1000mと1500m、3000mでは見事優勝。本格シーズンへ向けて好スタートを切った。

1000mでは小平を押さえて優勝した髙木美帆1000mでは小平を押さえて優勝した髙木美帆 髙木は、初日最初の種目の500mの滑りから3000mに向けての手応えを掴んでいたという。

「500mは先週よりタイムを縮めたいと思っていましたが、0秒01遅かったので悔しかったです。ラストの200mは伸びがある感じだったので、この伸びがあったら3000mは大丈夫かなと思いました」

 その感覚どおり、3000mでは大会記録を0秒24更新する4分06秒53で、同走だった2位の佐藤綾乃(高崎健康福祉大)に2秒11差をつけて圧勝した。

「今年の夏、ヨハン・デヴィットコーチの意向でパワーアップに取り組んでいたので、パワーがついたという実感があった分、どこまで(体力が)もつかわからないという不安要素が強くてナーバスな部分もありました。でも、同走の佐藤選手が最初のラップをすごくいいリズムで刻んでくれたので、助けられました。ラストは結構きつかったので、まだこれからと感じましたね」

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る