バドミントン団体女子が金を獲得。日本はすべてのところに強みがある (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 奥井隆史●写真 photo by Okui Takashi

 そんな言葉通り、多彩なテクニックで相手のミスを誘い、第1ゲームは21-16で取って試合を優位に進めた。第2ゲームは互いに連続ポイントを取り合う展開になり、後半は競り合いに。13-16から奥原のドロップが決まった時に、飛び込んで取ろうとした相手が左肩を痛めて試合が中断する場面もあった。

 それでも奥原は「中国選手はそういうことがよくあるので、棄権をするとは思っていなかった。相手は疲れているから休みたいんだなと思って、プラスに考えていました」と冷静だった。だが、試合が再開してからも追い詰めることはできず、19-21でゲームを落としてファイナルゲームへともつれ込んだのだ。

 そのファイナルは奥原が「後半は相手に疲れが見えた」と言うように、序盤から一方的な展開で、3-1から5連続得点を奪うと、8-2からは8連続得点で16-2にしてあっさりと勝負を決めたかに見えた。

 しかし、最後は少し苦しんだ。「勝ちが見えたところで早く勝負を決めたいと思ってしまった。そこからは相手が開き直って、もう1回ファイティングしてきたので、それに自分が合わせてしまったのがよくなかったと思う。彼女はすごくうまい選手なので、相手の作戦にやられてしまった」と、17-14まで迫られた。

 タッチの柔らかなドロップやカットが、向かい風に押し返されてネットに引っかかるというプレーが、大事なところで出ててしまった。

「そこからは急がずに、ゆっくりゆっくり目の前の1点を見ました。審判にも注意されたけど、注意されるまで間を取って自分のペースに戻ろうと考えました」

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