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アジア大会で男女がメダル獲得。
日本フェンシング界の伸びしろに期待

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 奥井隆史●写真 photo by Okui Takashi

昨シーズンから急成長を遂げている加納虹輝昨シーズンから急成長を遂げている加納虹輝 インドネシア・ジャカルタで開催されているアジア大会。フェンシング男子のエペは、加納虹輝(こうき/早大)が予選プール5戦全勝で第2シード、リオデジャネイロ五輪6位の見延和靖(NEXUS)が4勝1敗で第7シードとなり、その結果、決勝トーナメントの準々決勝で日本人対決となった。

 31歳のベテラン見延と20歳の加納。ひと回り近く違う年齢差の対決を制したのは、勢いに乗っている加納だった。

 お互い、手の内を知りつくした関係ながら、加納がスピードを生かした戦いで序盤からリードし、15-6で勝利を収めた。

 先輩である見延は、加納についてこう話す。

「(加納が)もっと攻めてくるかと思いましたが、我慢強かった。フェンシングでは剣をどれだけ自信をもって突き出せるかが重要で、彼は昨年から突然のひらめきで勝ちだすようになって勢いもあり、プレースタイルもどんどんよくなっている」

 加納が覚醒したのは昨年の冬。シニア参戦2戦目だった2017年1月のW杯ドイツ大会で3位になると、ジュニアW杯では初優勝を果たす。続く5月のW杯フランス大会でも3位と、好調を維持していた。

「ジュニアの試合でも、それまでは世界ジュニアのベスト8が最高だったので、シニアのW杯の中でもレベルが高いドイツ大会で、なぜ3位に入れたかは今でもわからないんです。でも、あの試合の中で、だんだん相手の動きが見えるようになってきたんです。昔はスピードがあるだけでしたが、今は相手を見るフェンシングができるようになってきたので、持っているスピードを生かせるようになったと思います」

 こう話す加納は、世界ランキングを一気に10位まで上げ、今年6月のアジア選手権でも銅メダルを獲得。7月の世界選手権ではベスト8進出は逃したものの、日本人最高の9位になっていた。

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