過去全敗→2勝3敗。スマイルジャパンは北京で「もっとうまくいく」 (3ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao photo by JMPA

 日本の唯一の失点シーンは、DF細山田がゴール前に上がってシュートを放ったチャンスから一転、相手のカウンターになり、センターラインに戻った細山田の前でイレギュラーに弾んだパックの処理を誤ったことが起点になってしまった。細山田はその場面を自分のミスと悔やみながら、試合をこう振り返った。

「失点は自分のミスです。期待していた決勝トーナメントには進めませんでしたが、5位、6位決定戦に臨めたことは誇るべきこと。何本もシュートを放ったけれど、スイスのGKがうまかった。ゴール前でスクリーンを作ったり、リバウンドを狙おうと試みましたが、最初のシュートをキャッチされてしまうことが多く、思うようにチャンスを作れなかった」

 スウェーデンとの順位決定予備戦で決勝点を挙げただけなく、大会の5戦を通じて最も多く氷上に立ち、攻守に積極的な動きを見せた床亜矢可は、目標のメダルには届かなかったものの、収穫もあったと口にした。

「最低限の目標としていた予選ラウンド突破もできなかったけど、ほとんどの試合で私たちの狙いであったロースコアの展開に持ち込むことはできた。守備の面では五輪の舞台でも通用したと思うので、あとはゴールをどう奪うかということ。攻守のバランスを取ることは簡単ではありませんが、次はもっとうまくいくと思うし、4年後の北京ではメダルを目指したいです」

 どの試合も、守備はある程度はまっていただけに、初戦のスウェーデン戦からスイスとの最終戦まで、ミス絡みの失点が出てしまったのは残念だった。

 もちろん、日本に2勝したスイスが準々決勝でOAR(ロシアからの五輪選手)に2-6と敗れ、そのスイスに勝ったOARがカナダとの準決勝で0-5と完敗した事実を見れば、日本と世界トップ(特に決勝に進出したカナダとアメリカの2強)との実力差はまだ果てしなく大きいこともわかった。

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