3横綱なき秋場所で、豪栄道が1年ぶりの「カド番→優勝」を狙う

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  • photo by Kyodo News

 白鵬、稀勢の里、鶴竜が休場する"異常事態"となった大相撲秋場所。3横綱が初日から休場するのは昭和以降で初めてのことで、その分、優勝争いが大混戦になることが予想される。

9月5日の連合稽古で、高安(右)に7勝4敗と勝ち越した豪栄道(左)9月5日の連合稽古で、高安(右)に7勝4敗と勝ち越した豪栄道(左) そんな本命不在の秋の両国で、虎視眈々と賜杯を狙っているのが、6度目のカド番を迎える大関・豪栄道だ。ファンが期待するのは、同じくカド番で迎えた昨年の秋場所で初優勝を飾ったシーンの再現だろう。

「自分でもわからない力が背中を押してくれた気がします。そういう勢いがないと、優勝、ましてや全勝はできないと実感しました」

 豪栄道がそう振り返る、涙で賜杯を抱いた秋から1年。昨年と同じく"瀬戸際"で土俵に挑むことになったが、「昨年と同じでゲンがいいというふうに、プラス思考でいきます」と、2度目の頂点に向けて前を向く。


 初優勝からここまでの道のりは過酷だった。勢いに乗って初の綱取りに挑んだ九州場所は、初日から5連勝するも、終盤に失速して9勝6敗に終わる。2場所連続優勝はならず、綱取りには失敗したが、低く鋭い立ち合いには「手ごたえがあった」と、さらに飛躍できる自信を感じていた。

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