女子ジャンプはWエース。沙羅のライバル、伊藤有希が「夏の女王」へ (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Kishimoto Tsutomu/PICSPORT

 そして2本目も、ほかの選手が24番ゲートからスタートするなか、1本目より1段上げた21番ゲートからスタートした伊藤は、弱い向かい風の条件だったにも関わらず、127mの大ジャンプ。2位に45.8点差をつけての優勝で貫祿を見せつけた。

「トライアルを含めて3本とも大きなミスがなかったと思うので、次につながる試合になりました。昨日はオフィシャルトレーニングが中止になってしまって、1回も跳べなかったけど、それが逆によかったのか、特に狙い過ぎず、考え過ぎずに跳べたかなと思います。今日は1本ごとに風の条件が変わる試合でしたが、こういう試合はワールドカップでもあるので、いい経験になったと思います」

 伊藤は昨シーズン、W杯で1位5回、2位4回、3位2回の成績を残し、総合は高梨に次ぐ2位になっている。ラハティ(フィンランド)で開催された世界選手権でも15年大会に続いて銀メダル獲得と、大舞台に強いことを証明した。その勢いを平昌五輪へ向けて、さらに加速させたいこの夏シーズン。3試合終了時点でサマーグランプリ総合1位という結果にも、「メンバー的にもフルメンバーとはいえない状況だったし、いろんなシチュエーションもあったので......。1試合目に関しては試合だけ2本とも大失敗してしまったのですごく悔しい試合になったし、内容としては1試合ずつよくなった感じはありますが、イマイチしっくりこなかった試合ばかりだったなと思っています」と納得していない。

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