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落車が続出のツール序盤。
王者フルームはマイヨ・ジョーヌを守れるか (2ページ目)

  • 山口和幸●取材・文 text by Yamaguchi Kazuyuki
  • photo by A.S.O.

「サルドプレス」と言われるゴール地点のプレスセンターに怒号が飛び交ったのは、7月4日の第4ステージだった。世界チャンピオンのペーター・サガン(スロバキア/ボーラ=ハンスグローエ)がゴールスプリント時の危険走行により、まさかの失格処分を受けたからだ。

 サガンはその前日の第3ステージ、残り1.5kmから激坂となる過酷なステージを制して大会通算8勝目のステージ優勝を挙げたばかり。表彰式にはモトクロス選手が着用するゴーグルを首から提げて、ワガママし放題の「サガンワールド」を演出していた。ここまでして主催者に反感を買わないのかなあと、こちらが心配したほどだ。レース後のインタビューではスプリント王の称号であるポイント賞争いにも名乗りを挙げ、大会タイ記録となる6年連続受賞を目指したいと、ちょっと悪ガキっぽさのある英語で語っていた。

 ところが第4ステージ、混戦のゴール勝負でフェンス際をこじ開けるようにスパートしたマーク・カヴェンディッシュ(イギリス/チーム・ディメンションデータ)に対し、サガンが撥ね除けるようにして接触。バランスを崩したカヴェンディッシュはフェンスに激突して最後の勝負に加われず、翌日はそのケガの影響で出走できなくなった。サガン自身もトップフィニッシュはできなかったが、ゴールから2時間ほど経過した後、大会の競技面を主管する国際自転車競技連合のコミッセール(審判団)がサガンの失格を発表した。

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