命を救う海辺の守護神。ライフセービング女子ユース日本代表・内堀夏怜

  • たかはしじゅんいち●文・撮影 text & photo by Takahashi Junichi

知られざる女子日本代表〜Beautiful woman(6)

「ライフセービングをやっていたおかげで、自然の偉大さ、海のすばらしさ、仲間の大切さなど、学校では学べないようなことを学べています」

 高校2年生の内堀夏怜(うちぼり かれん・17歳)は、名門ライフセービング団体である神奈川県藤沢市の「西浜サーフライフセービングクラブ」に所属するライフセーバーだ。これまで同クラブからは、2016年の内堀を含む多数の競技ライフセービング日本代表が輩出している。競技の魅力について、内堀はこう話す。

「自分が過酷な練習をしていることが、競技で勝つためだけではなく、1秒でも早く、助けが必要な人を救うことにつながっている。だから、がんばれる。早く泳げるだけでなく、波、潮の流れ、風など刻々と変わる自然を読むなど、色々な要素が競技結果に関係してくるのが面白いんです」

ライフセービング競技ユース日本代表・内堀夏怜(右)、日本代表・平野修也(左)ライフセービング競技ユース日本代表・内堀夏怜(右)、日本代表・平野修也(左)

 競技ライフセービングとは、海辺、水辺で命を救うライフセービング技術の向上を目的にオーストラリアで競技化されたスポーツである。もともと創設された目的は、同競技を通じて一流のライフセーバーを育成することであり、勝ち負けは重要視されていない。競技とはいえ正確かつ迅速に溺者(できしゃ)を救い出すことが最重要事項であるため、ゴール後に選手が倒れ込んだり、溺者の代用で使用されるマネキンの鼻や口が水に浸かったりなど、実際の救出に適さない行為をすれば失格となる。

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