【月刊・白鵬】球界の「レジェンド」たちの引退に、横綱が想うこと (4ページ目)
私がモンゴルから日本にやって来て、プロ野球を見始めた頃には皆、第一線で活躍されていた選手ばかりです。そうした若き日に憧れていた選手たちがユニフォームを脱いでいくのは、ひとつの時代が終わったような感じがして、ちょっと寂しい気分になりますね。
その引退した選手の中でも、今後が最も気になるのは、高橋由伸選手です。先のクライマックスシリーズでも、由伸選手の活躍を期待していただけに、まさか引退して、巨人の監督になるとは思っていませんでした。
偉大な原辰徳監督の勇退を受けて、40歳の若さで次期監督を打診された由伸選手。突然のことで、短期間で結論を出すには、かなり悩んだことでしょう。そうして、監督という道を選択。そこには、相当な覚悟、決断があったように思います。巨人ファンの私としては、その由伸選手、いや由伸監督への注目は増すばかりです。
私の個人的な意見ですが、由伸監督は若い分、選手の気持ちがわかる、という強みがあると思っています。それに、ほとんどの選手がこれまでチームメイトだった仲間たち。それぞれの長所・短所、人間性についてもよくわかっていることでしょう。その強みを生かして、ぜひ新たな巨人軍というものを作ってもらえたらいいな、と思います。来シーズンの楽しみが、またひとつ増えました。
さて、話は戻って九州場所。私と同じ休場明けの横綱・日馬富士も好調をキープして、私とともに優勝争いを演じています。横綱同士、最後まで今場所を引っ張って、大いに盛り上げていきたいですね。そして、今年も最高の締めくくりで終えられればいいな、と思っています。
著者プロフィール
白鵬 翔 (はくほう・しょう)
1985年3月11日生まれ。モンゴル・ウランバトール出身。本名:ムンフバト・ダヴァジャルガル。宮城野部屋所属。2001年3月場所の初土俵から順調に昇進し、2007年7月場所で横綱昇進を果たす。以来、安定した相撲で勝ち星を重ね、数々の記録も打ち立ててきた
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