【月刊・白鵬】球界の「レジェンド」たちの引退に、横綱が想うこと (2ページ目)
最終的には、場所前の稽古で自分が思っている以上に体が動いたこと、他の部屋の力士と稽古する中で、徐々に相撲勘も取り戻せているように思ったので、出場を決断しました。
迎えた九州場所。初日がパワフルなジョージア出身の栃ノ心、続いて2日目が"モンスター"逸ノ城、さらに3日目もパワーあふれるエジプト出身の大砂嵐と、序盤戦から生きのいい力士との対戦が組まれました。ここで、何とか3連勝。場所前の不安もだいぶ解消され、リズムに乗ることができました。
そして、4日目。先場所、不覚をとった33歳の元気者、嘉風と対戦しました。嘉風は、今場所も初日に横綱・鶴竜、2日目に大関・稀勢の里と、上位陣を立て続けに撃破。乗りに乗っていましたが、さすがに私は2場所連続で負けるわけにはいきません。
その分、この一番には一段と気合いを入れて臨みました。その結果、はたき込みで勝利することができました。これは、私にとって大きな白星でしたね。この勝利をきっかけにして、いつものペースがつかめたような気がします。
それにしても、嘉風のように、30歳を超えるベテランになってから、なお一層力を発揮する力士がいます。嘉風と同部屋(尾車部屋)の豪風は、35歳になった昨年、自身最高位となる関脇まで昇進しました。また、名古屋場所(7月場所)で引退した旭天鵬関は、37歳のときに幕内初優勝を飾りました。力士としてのピークというのは、人それぞれ違うのでしょうね。
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