【スキージャンプ】
W杯総合優勝、高梨沙羅はソチ五輪でも勝てるか?
2月17日、スロベニアで開催された女子ジャンプW杯リュブノ大会2日目に、高梨沙羅(グレースマウンテン・インターナショナル)が今季8勝目をあげて、W杯の男女ジャンプで、日本人初の総合優勝を果たした。日本人のW杯総合優勝は、ノルディック複合の荻原健司以来、18シーズンぶりの快挙だった。
今季の状況を見ると、彼女の女王獲得は時間の問題だった。その理由は、昨シーズンの第1回W杯を圧倒的な力で制したサラ・ヘンドリクソン(アメリカ)が、春先の故障で出遅れていたからだ。
さらにジャンプスーツのルール改正も追い風になった。当初の改正はジャンプスーツでの有利不利をなくすためにと、それまでは+6cmだった大きさを、体と同サイズの+0cmとした。
その対応にいち早く着手した高梨は、ヘンドリクソンが出場できなかった夏のサマーグランプリで総合優勝を果たし、早々と優位に立ったのだ。
国際スキー連盟は秋になってから、「+0cmではスーツの消耗が激しすぎる」という理由で+2cmにルールを変更した。スーツが少し大きくなり、夏の間は不振だった選手たちには追い風になったが、高梨は「今まで0cmでやってきて、プラス2cmになったらもっと(気持ちに)余裕が出てくるだろうから」と、動揺することもなかった。
その自信は、冬シーズンが開幕するとともに証明された。11月末に行なわれた開幕戦のリレハンメル大会で優勝し、12月のソチ大会は風の不利もあったが、それでも2位と3位。続くラムソー大会では2連勝と、W杯ランキング首位を独走し始めた。
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