【インタビュー】美しきヒロインの素顔~川崎衣美子(空手) (3ページ目)
愛犬家という川崎選手(左)。実家に帰れば、飼い犬のチワワ3匹とずっと遊んでいるという。写真右は脊山氏。妹でもわかるスター性を持つ
兄が理想の人間像
脊山 中学校を卒業すると、群馬県の高崎商科大学附属高校に進学しました。
川崎 静岡県内にも(空手の)強い高校はあるのですが、関東の高校でさらに上を目指してチャレンジしてみたかったんです。
脊山 高校の3年間はいかがでしたか?
川崎「勝ちたい」「結果を出したい」という思いが強すぎて空回りしていました。3年生のときは女子の主将をやっていたんですけど、自分の思いをみんなに伝えられず、部員みんなの気持ちもまったく汲み取れなくて、どうにもなりませんでした。自分のことで精一杯なのに、みんなをまとめなければいけない、ということがプレッシャーになっていました。
脊山 その苦難は乗り越えることができたのですか?
川崎 いろいろと手を尽くしてみましたが、うまくいかないことのほうが多かったですね。兄に相談しようと思いながら、兄も大学の練習が大変そうだったので、言いづらくて......。結局、自分で(問題を)抱えてしまって、すべてを解決することはできませんでした。
脊山 大学では、その鬱憤を晴らしたいところですね。
川崎 はい。高校のときは、(自分の)結果にこだわりすぎて失敗した苦い経験があるので、今は心底、人の目標になるような選手になりたいと思っています。個人種目ですけど、自分だけが喜べる勝利ではなくて、人に喜んでもらえるような勝ち方をしたいですね。そして、自分が勝つことで、人に感動してもらえるような選手になりたいです。
脊山 世界大会もあると聞いています。
川崎 ぜひ出場したい。そこで優勝したいです。でも今は、タイトルだけでなく、自分で納得する演武ができるようになるのが、いちばんの目標です。
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