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【月刊・白鵬】史上初の6大関。激戦を制し、次の横綱になるのは? (2ページ目)

  • 武田葉月●構成 text&photo by Takeda Hazuki

 長らく低迷が続いている琴欧洲は、もっと欲を持って"鬼"になりきるくらいの気持ちが必要かもしれません。実際、同じ部屋に琴奨菊という新しい大関が誕生したことで、これまでと顔つきが変わってきました。巻き返しに期待したいところです。

 そして、初場所(1月場所)で初優勝を果たしたものの、先の春場所で綱獲りを逃してしまった把瑠都。10日目が終わった時点で1敗をキープしていたのに、その後はまるで別人のようなふがいない相撲を取って、終わってみれば10勝5敗。この成績では、精神面で「?」が付いてしまうのは当然です。その辺の課題克服が今後のカギになります。

 では、ここから誰が抜け出すのか?

 そこが、多くのファンにとっても最大の関心事だと思いますが、大関が6人いるということは、それだけ大関同士の対戦も増え、星の潰し合いになるとも言えるのです。かつての5大関時代、やはり潰し合いになり、そこから浮上するどころか、逆に陥落の憂き目に合う大関も出てきたことがありました。

 ですから、こうした厳しい状況の中から抜け出して、横綱を張れるような力士が出てきたとしたら、それは本当の強さを持った力士と言えるのかもしれません。

 その一番手は、把瑠都だと思います。これまでも語ってきた、私の見解は今も変わっていません。前述で「ふがいない」と称しましたが、この中から抜け出す力があるのは、やはり彼です。

 それだけ、把瑠都の相撲はスケールが大きく、他の力士にはどうしても真似できない魅力があります。体任せの大雑把な相撲も、今年に入ってから、なりを潜めました。懐(ふところ)の深い力士から、じっくり見られて相撲を取られることほど、恐ろしいことはありません。

 あとは、春場所の反省を生かすことが大事。それには、普段からいろいろな力士と稽古して、自分に自信を持つことだと思います。把瑠都の所属する尾上部屋は、相撲部屋が集中している両国界隈から離れた場所にあるため、どうしても自分の部屋の力士との稽古が中心になってしまいがちですが、もっと外に出ていくべきしょう。一門こそ違うけれど、私のいる宮城野部屋に毎朝稽古に来てくれてもいいくらい。歓迎しますよ!

 肝心の私は、初日、安美錦に黒星を喫してしまいましたが、すぐに気持ちを切り替えました。6大関の奮闘ぶりに負けないよう、夏場所を盛り上げていきたいと思っています。

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