本田真凜&宇野昌磨がアイスダンス初公開 地道に積み重ねてきた自信とユニゾンの進化 (2ページ目)
「シングルでやっていた部分も強みにすることが可能」(宇野)
練習後の囲み取材で本田・宇野組の強みについて聞かれた宇野は、「もともとふたりがシングルでやっていたという部分も、間違いなくスケートをするという意味で強みにすることも可能だと思います」と話していた。それは表現力やスピード感を指していたが、それ以外にも、彼らのシングル時代の強みがアイスダンスに生かされている。
シングル時代の本田は、身体の使い方が抜群にうまい選手だった。難しいエッジワークや姿勢でも軽やかにバランスを取るその技術は、リフトで持ち上げられる際にも生きているように感じた。持ち上げられてすぐにベストなポジションに入り、軸がブレることなくトップで美しい姿勢を保つことができるのは、努力や度胸はもちろんのことだが、その優れたバランス感覚もあるのではないだろうか。
本田を支える側の宇野も、4回転ジャンプや、重厚感と安定感のある滑りを生み出した強靭な足腰が、リフトの土台としての安定感に生かされている。また、シングル時代にお互いの滑りをよく見ていたことも、動きをシンクロさせるうえでアドバンテージとなるだろう。
「爪痕をしっかり残すつもりで戦っていきたい」(本田)
競技会デビューとなる今季のプログラムは、この日練習していたジャン=リュック・ベイカー振付けの『四季』をフリーダンスに、未公開のリズムダンスは宮本賢二振付けの『ポエタ』で挑む。
練習拠点は決めていないが、「ショーが終わり次第、いろんな海外の場所に行ってアイスダンスの技術を学んでいって。普段ふたりだけで練習するということはなく、美里さんが来てくださったり、ティム(・コレト)が来てくれたり。いろんな日本の先生方に教えていただいたり、映像をチェックしてもらっています」と本田。
試合に帯同するコーチについては、「まず1年目はステファン(・ランビエル)にリンクサイドに立ってもらうことになっています」と宇野。「新しい舞台に挑戦する時に、心強いコーチがそばにいてくれることが、僕たちふたりが望んだこと。心から応援してくれるステファンが一番心強い」と、シングル時代から全幅の信頼を寄せるランビエルに、白羽の矢が立った。また、リズムダンスで使用する『ポエタ』は、ランビエルの代表作のひとつ。そういった部分でも強力なアドバイザーになってくれることだろう。
2024年10月に、アイスダンスで競技復帰することを決断した本田と宇野。それから今年5月に復帰を発表するまで、地道にトレーニングを続けてきた。今季の目標を聞かれた本田は「試合に向けて、どんな演技をしたいか、どんなアイスダンスをしたいかを目標にしてやってきたので、1年目だからといってビビらずに、爪痕をしっかり残すつもりで戦っていきたいなと思います」と、前を見据えて力強く答える。それだけの練習の日々を、ふたりは重ねてきた。
7月31日から開幕するアイスショー「Ice Brave -A TURNING SEASON-」では、競技で滑るリズムダンスとフリーダンスの両方を披露するという。2030年冬季五輪を目指す本田・宇野組の4年間が、ここから始まっていく。
著者プロフィール
山本夢子 (やまもと・ゆめこ)
スポーツライター。青森県八戸市出身。5歳からフィギュアスケートを習い始め、高校卒業まで選手として各大会に参加。その後、渡米し大学を卒業、就職。帰国後は、コピーライターとして広告制作に携わる。2005年からフリーランス。現在はライターとしてフィギュアスケートの専門誌を中心に執筆中。
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