【ミラノ五輪】鍵山優真「金メダルはオプション。結果はあとからついてくる」 マリニンと決戦へ (2ページ目)
【観客にスキップして帰ってもらえるように】
だが、後半に入ってのトリプルアクセルの惜しいミス。その原因について「ちょっと回転を抑えきれず、回りすぎてしまいました」と鍵山は振り返る。
「身体はめちゃくちゃ動いていました。公式練習が終わってからは時間がなかったので、ずっとリンクで休憩していて。試合までいつもより短い時間ということもあり、身体が公式練習のままキレキレに動いていたので、ジャンプでも自分が思う以上に浮き上がったのかなと思います」
この日は午前から昼過ぎまで同じ会場でショートトラックの競技が行なわれていたため、公式練習の開始は午後3時30分から。鍵山らの最終組は5時55分まで練習し、試合は6時30分が第1組の開始で、最終組は夜10時過ぎからのスケジュールだった。通常なら公式練習後は一度ホテルで休んでから再び会場に戻るが、今回はそれが難しい状況。そんなタイムスケジュールを嫌ったのか、マリニンは公式練習を欠場していた。
鍵山は、トリプルアクセルで2.40点の減点となったが、気持ちの動揺もなくそのあとも勢いを加速させた。ステップシークエンスは団体と同じように観客をあおる仕草を見せ、大きな歓声を受ける。その滑りにジャッジ9人中8人がGOE加点で満点の5点をつけただけではなく、最後のコンビネーションスピンもスピードを落とさずに高い加点を得る。最後まで集中を途切れさせない演技だった。
その得点は103.07点。ミスがあったなかでの2位発進は本人も納得できるものだった。直前に演技をしたマリニンの得点は当然わかっていた。
「正直に言えばショートの点数は、イリア選手を相手にする場合はどれだけ近くても遠くても、フリーの演技に対してまったく参考にはならない。だからまずは自分のできるものを最大限やろうとだけ意識しました」
そう話す鍵山は、マリニンのフリーでの別格の強さを承知する気持ちもあっただろう。それでも、最初から盛り上がる観客のなかで滑りきった自分の演技に関して納得の表情を見せる。
「すごくうれしかったですね。直前のイリア選手がカッコいい曲だったのに対して、自分はすごく明るい曲調。最終滑走というのもあって観客のみなさんは僕の演技が終わったら帰るわけだから、みんなが楽しい気持ちで、スキップでもして帰ってもらえるように。そして僕も一番楽しく終われるようにというところを意識して滑りました。それとともに4回転ジャンプなどのしっかりやるべきところも集中しながらやった。うまくバランスを取りながらできたと思います」
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