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どん底を味わった宇野昌磨が笑顔を取り戻した出会い 五輪連続メダル、世界王者......栄光の裏側にあった苦悩 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi

【攻めの構成で五輪2大会連続メダル】

 2021−2022北京五輪シーズン、宇野はループとサルコウ、フリップにトーループ2本の4回転5本構成への挑戦を明言した。

「まだできる確率は低いと思っていますが、このプログラムをできるレベルになって世界と戦いたいから、たとえ失敗しようが1シーズンを通して成長していきたいです」

 NHK杯では自己最高得点を更新する290.15点を出して優勝すると、全日本選手権では295.82点で羽生に次ぐ2位になり、2回目の五輪代表に選出された。

 そして、2022年2月の北京五輪。団体戦SPでネイサン・チェン(アメリカ)に次ぐ2位になって日本の銀メダル獲得に貢献した。

 個人戦男子シングルでは羽生がSPで出遅れたうえにフリー前の公式練習でケガをする緊急事態のなか、宇野はSP3位からフリーも4回転5本の構成で粘りの演技を見せ293.00点を出し、チェンと鍵山優真に次ぐ総合3位で2大会連続メダルを獲得した。

 この結果について宇野は素直に受け止めた。

「この4年間いろいろなことがあったし、2年前はここに立てるような存在ではなかった。それでも再びこの舞台に立てたことはうれしいです。演技がどうであれ、3位という順位はこの4年間の成果だと思います」

 それでも、五輪を特別視しない姿勢は変わらなかった。

「僕にとってはどの試合も特別で、五輪というのは他の試合と環境が違うだけで、やっぱりひとつの試合だと思います。だから五輪が終わった今考えているのは、帰ってすぐに次の世界選手権へ向けて練習をしたいということ。僕はもっと成長できると思っているし、もっともっとうまくなりたい」

 2022年3月の世界選手権。五輪優勝のチェンや羽生が出場しなかった大会で宇野は、SPを自己ベスト更新の109.63点で1位発進すると、フリーも自己ベストを更新する202.85点を出し、合計312.48点。2位の鍵山に15点弱の大差をつけて初の世界王者の座を手にした。

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