アイスダンスデビューの紀平梨花「頑張れることが本当に幸せ」 西山真瑚との「りかしん」で2030年五輪を目指す (4ページ目)
【2030年の五輪に向けてここからがスタート】
リズムダンス2位、フリーダンス4位の総合3位となり、初めての大会で表彰台に上った「りかしん」。国際大会派遣基準のスコアを獲得できなかったものの、「ここで全部が終わったわけじゃない」と西山は言う。
「まずはこの予選会に出ること自体が自分たちにとって(カップル結成から)1カ月でよくできた。そこは自分たちを褒めたいと思っています。ここからがスタートなので、本来の自分たちの目標である2030年の五輪に向けてひとつずつ階段を上がっていきたいです」(西山)
紀平は、新しい挑戦に対して「今は頑張れるということが本当に幸せ」と話す。ケガをしてからは安静のために全力で練習ができない期間も長かった。その当時を振り返りながら、今は晴れやかな表情でこう語る。
「休んでいると、トレーニングができていないことですごく自己嫌悪の気持ちが強い時期が続いていて。そういう苦しい時期が続いていたので、今は(練習や試合で)つらいな、しんどいなって思える毎日がすごく幸せでうれしくて。なので、楽しく上を目指してやっていきたいです」(紀平)
今後は、高い運動神経や体幹の強さを持つ紀平ならではのリフトなどの技も増えていくことだろう。フィギュアスケーターとして再び輝くため、紀平は西山とともに新しい道を歩んでいく。
著者プロフィール
山本夢子 (やまもと・ゆめこ)
スポーツライター。青森県八戸市出身。5歳からフィギュアスケートを習い始め、高校卒業まで選手として各大会に参加。その後、渡米し大学を卒業、就職。帰国後は、コピーライターとして広告制作に携わる。2005年からフリーランス。現在はライターとしてフィギュアスケートの専門誌を中心に執筆中。
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