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【フィギュアスケート】坂本花織がキャプテンに立候補した理由「人を楽しませたい性格」「最高の大会にする」 (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【チームとして最高の大会にする】

「演技自体は、よかったと思います。疲労感があったなかでもよく頑張ったなって(笑)。リンクは開放感がすごくて、どれだけぶっ飛ばしても壁にぶつからないし、楽しかったですね。ストレスフリーで演技ができてうれしいです。今は疲労感を通り越して、"限界突破"って感じですが、これも経験」

 坂本は自らの演技を明るく振り返っているが、囲み取材でも、個人よりもキャプテンとして仲間がベストの演技ができるのかに対し、気を配っているようだった。「チームとして最高の大会にする」と意気込んでいた。

 前回の大会は、年長者の村元哉中と高橋大輔の"かなだい"もメンバーにいたが、今回は年齢が近い選手での構成だ。

「今日は、みんなに力をもらって演技できました。対抗戦ならでは、みんなが楽しそうなのがいいですね」

 坂本は言う。リンクの上では、フィギュアスケーターはふだん、孤独で戦う覚悟が求められる(カップル競技はあるが)。しかし団体戦は、チームとして戦うエネルギーが演技に還元されることはあるだろう。その結びつきの強さこそ、日本チームの強さでもある。

「今日(4月17日)は、(佐藤)駿君以外、少しミスが出てしまったことで、『ごめんね』って戻ってくる選手が多かったです。でも『ごめんね』は本当に要らなくて。失敗して、やっちゃったくらいで、試合ではあるけどストレスなしに楽しんでほしいと思います。明日(18日)は、私は試合がないので、チームを100%サポートします!」

 4月19日、坂本はフリーに『All That Jazz』で挑む。アメリカと金メダルを争う日本の順位を占う演技になるだろう。チームジャパンのキャプテンの出番だ。

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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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