宇野昌磨「ダラダラ、ゴロゴロして」充電完了 初プロデュースのアイスショー『Ice Brave』に本田真凜ら「仲間」と挑む (3ページ目)
【憧れの高橋大輔のような演技をめざして】
『Ice Brave』というショーのタイトル、最後は満場一致で決まったという。勇敢を冠したタイトルは、宇野のスケート人生に通じるものがあった。
「タイトルをつけるのは難しかったです。あまりかっこよすぎるのも自分に合わず、恥ずかしいし......たくさん(候補が)出たなか、自分の現役時代の軌跡と近いなって決めました。気持ちを前に強く出していく選手だったと思うので。エネルギッシュに、全力でいくってところは、自分でも自信を持っているところ」
宇野はプロデューサー兼メインスケーターだが、肩書きは決めかねているという。それはこれから定まるのかもしれないし、表現者にとって称号は冠に過ぎないのだろう。
「小さい時に憧れた高橋大輔さんのようなスケーターに、今の自分がなれているか。それで言ったら、まだ自分は満足できていなくて。それを目指して、このショーに向けても自分の強みを活かし、もっと改善していきたいって思っています」
彼は表現に対し、現役時代以上にどん欲だ。
「自分はアニメでも漫画でも、ネタバレされたくないほうなので。(どのプログラムを滑るか)言われたくない、という方もいるかもしれない。だからそこはお楽しみということで」
宇野は公演内容については、少しずつ明らかにしていくという。彼なりのエンターテインメント魂だろう。本番に、乞うご期待だ。
【プロフィール】
宇野昌磨 うの・しょうま
プロフィギュアスケーター。1997年12月17日、愛知県生まれ。現役時代には、全日本選手権優勝6度、世界選手権連覇、2018年平昌五輪銀メダル、2022年北京五輪銅メダルなど華々しい成績を残す。2024年に現役引退し、現在はアイスショー出演などプロスケーターとして活躍している。2025年6月〜7月に自身が初めて企画プロデュースしたアイスショー『Ice Brave』を名古屋、新潟、福岡の3都市で開催予定。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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