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高橋大輔プロデュース『滑走屋』は新たなフェーズへ 村元哉中、村上佳菜子、友野一希らも進化 (4ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki

【何度見ても発見がある一大スペクタクル】

「踊る」。そこは前回以上に、全体の色合いとして明確になった。ただ、見どころはそれぞれの観客に委ねられている。なかなかすべては見通せない「表現」だ。

「目が足りない」。今回、『滑走屋』の応援団長になった、人気アニメ『メダリスト』声優の春瀬なつみの表現を借りれば、氷上で繰り広げられるさまざまな滑りに目移りすることになるだろう。何回見ても発見がある。一大スペクタクルだ。

 滑るたび、滑走屋メンバーのなかでも化学反応が起きる。

「(昨年は)『滑走屋』に出演させてもらい、氷の上で16時間も過ごしました。そんな経験はなかったので、これがプロで、そこまでしないと人前で滑れないという大輔さんのプロ根性を見せてもらって。本当に『滑走屋』に出られてよかったです。今年は(全日本選手権の舞台に)ふさわしいと思って頑張れました」

 三宅咲綺は昨年の全日本選手権で自己最高位を記録したあと、そう振り返っていたが、成長の集約が『滑走屋』をさらに進化させる。

 新感覚アイスショー『滑走屋』は、3月8、9日の合計6公演。夢の舞台の開演だ。

終わり

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著者プロフィール

  • 小宮良之

    小宮良之 (こみやよしゆき)

    スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。

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