高橋大輔プロデュース『滑走屋』を声優・春瀬なつみが全力応援! ストイックな舞台裏に「ハッとしました」 (3ページ目)
【華やかなショーの裏側に見た覚悟】
ーー先日、練習風景をご覧になったそうですが、いかがでしたか?
疾走感があるスケーティングで、ハッとしました。とても細かく何回も動きを繰り返すんですよ。ちょっと見ただけでは、わからないようなところまで突き詰めていて。あらためて、作品は地味な練習から始まるんだなって感じました。
ーー地味な鍛錬が、お客さんの前で華やかなショーにつながるんですね。
プロの方が突き詰める練習を目の当たりにしました。表に出る時はあんなに華やかなのに、コツコツの積み重ねなんだって。私も声優で、「おーい」って発声練習を30分ほど繰り返すんです。その言葉がお腹のなかを起こすのに適しているからなんですが、練習はすごく地味で......。『滑走屋』のみなさんは、私の何倍も何度も練習を繰り返し、これが圧倒的な作品をつくるんだなって。私もまだまだ足りないなって思いました。
ーー昨年の公演で高橋さんは「スケーター全員が黒い衣装なのは"強い職人"のイメージで、シンプルにスケートを見せたかった」とおっしゃっていました。表現者としての心意気ですね。
滑りだけで見せるという自信、覚悟、選択ですね。演出で盛ることをいっさいやらずに人の心をつかむってすごいことです。(ダンサーで振り付け担当の)鈴木ゆまさんが、氷上に今までなかった動きを採り入れているのも印象的ですね。高橋さんとゆまさんの新しい挑戦がマッチして、スケーティングとダンスの融合が見られるのは贅沢です。
ーー総勢26人(予定)のメインスケーターとアンサンブルスケーターの共演は圧巻です。これだけ大勢がリンクでひとつの絵を描くのは奇跡に近い。
高橋さんが座長として、その背中を見せているからこそ、みんなが同じ方向に行けるのでしょうね。一体感を感じられるのは素敵だなって思います。今回、練習をじっくり見させていただいたのですが、少しでもタイミングがズレるとぶつかっちゃうって怖いほどで。交差する動きはめちゃくちゃスリルがあるんです。技術だけでなく、信頼がないとできません。プロの人たちしかいない一般滑走のような密度でした。
ーーでは、『滑走屋』をどんな人に見てほしいですか?
私は勝手にフィギュアスケートのショーはチケットがめちゃ高いって思っていたんです。でも『滑走屋』には値段を抑えた席もあるんですよ! だから若い世代も含めて、いろんな人に見てほしいと思います。気軽に、映画を見に行くような感覚で。今回のスケートリンクは、スケーターたちをすごく近くに感じられるはずです。フィギュアスケートを知らないからこそ、楽しめるところもあるかもしれません。行かないのは、もったいないです!
<プロフィール>
春瀬 なつみ Haruse Natsumi
香川県出身。2014年に声優デビューし、『アイドルマスター』シリーズの龍崎薫役で注目を集める。2025年にスタートした、フィギュアスケートを題材としたアニメ『メダリスト』では、主人公の結束いのり役を務めている。自身もフィギュアスケートの大ファン。マウスプロモーション所属。
【滑走屋】
●開催日
2025/3/8(土)
【開場】10:00【開演】11:00
【開場】13:30【開演】14:30
【開場】17:00【開演】18:00
2025/3/9(日)
【開場】10:00【開演】11:00
【開場】13:30【開演】14:30
【開場】17:00【開演】18:00
●会場
ひろしんビッグウェーブ(広島市東区牛田新町1丁目8番3号)
●チケット
会場で当日券を販売
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著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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