フィギュアスケート全日本で鍵山優真が新時代の扉を開く「おもしろい試合になる」
【ガッツポーズができるように】
12月19日、大阪。フィギュアスケートの全日本選手権男子シングルは、群雄割拠の様相を呈している。各選手の実力は伯仲だ。
全日本選手権の前日練習に臨んだ鍵山優真 photo by Kyodo Newsこの記事に関連する写真を見る
もっとも、鍵山優真(21歳/オリエンタルバイオ・中京大学)は頭ひとつ抜けた存在と言えるだろう。昨年の全日本選手権で鍵山は、史上稀に見る激戦の末に、宇野昌磨に次ぐ準優勝だった。
「今日は練習してみて、初日から思った以上に動けているなっていういい感触です。明日(のショートプログラム)で、このままの気持ちを持っていけるように!」
鍵山が、新時代の扉を開く。
開幕前日練習で鍵山は氷の感触を確かめるように、丁寧に滑っていた。小さな体を大きく弾ませ、柔らかくしならせ、小さな"爆発"を繰り返すことによってダイナミズムをつくり出す。トーループ、サルコウ、アクセルなどジャンプを次々に成功。フリップは、最初こそ氷の感覚が合わなかったようだが、すぐにアジャストさせた。
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著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。