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千葉百音が「目指すはもっと上」4回転にも挑む19歳が日本女子フィギュアスケートに与えるインパクト (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【4回転トーループも完成間近】

 千葉がここまで冷静なのは、中1週間のスケジュールで中国杯を控えているからだ。そこにはフランス杯1位で212.89点を持つアンバー・グレン(アメリカ)やスケートアメリカ2位の渡辺倫果(三和建装/法大)、フランス杯2位の住吉りをん(オリエンタルバイオ/明治大)というGPファイナル進出を狙う選手も出場し、厳しい戦いが予想される。

 中国杯に向けて千葉は、「GPファイナルや順位は気にせず、とりあえず自分のいける一番高いところまで頑張っていってみて、その結果、GPファイナルに進めたらいいなくらいの気持ちで。とにかく自分のやるべきことに集中してショートとフリーをノーミスでそろえられたらと思います」

 常に「目指すのはもっと上」と口にする千葉。そのために今季は4回転トーループも重点的に練習をしている。

「まだプログラムに入れた練習はしていないですが、単発での練習では昨年よりもさらに惜しいジャンプができているなという状態です」

 次のステージにいくためにも、今はこれまでの構成でどこまで上にいけるかが課題だ。GPファイナル進出の経験も重要だろう。今回の自身2回目の210点台は、ライバルたちに強いインパクトを与え、千葉本人にとっても大きな収穫だった。

著者プロフィール

  • 折山淑美

    折山淑美 (おりやま・としみ)

    スポーツジャーナリスト。1953年、長野県生まれ。1992年のバルセロナ大会から五輪取材を始め、夏季・冬季ともに多数の大会をリポートしている。フィギュアスケート取材は1994年リレハンメル五輪からスタートし、2010年代はシニアデビュー後の羽生結弦の歩みを丹念に追う。

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