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千葉百音が「目指すはもっと上」4回転にも挑む19歳が日本女子フィギュアスケートに与えるインパクト (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【「やるしかない」足にグッと力を込めて】

 11月8日、NHK杯SPは、千葉が「曲に負けないように思いきりはっちゃけて、底抜けに明るい雰囲気を見せたい」と話していた『Last Dance』。

「ネーベルホルン杯の二の舞になるのではないかとヒヤヒヤしてネガティブな感情になることも多かったけど、去年のGPシリーズで悔しい思いをした分、もう二度と同じ過ちはおかさないと誓って。

 ジャンプは以前よりも筋力がつき、滞空時間が本当に少しだけ伸びてタイミングがわかりづらくなって苦戦していて、6分間練習でも完璧に自分が気に入るジャンプではなかったんですけど......。本番で緊張に襲われそうになって演技の出だしはスケーティングも少し硬かったけど、最初の3回転ルッツ+3回転トーループは『やるしかない』と思い、足にグッと力を込めて跳べたのがよかったかなと思います」

 滑り自体は、伸びのあるスケーティングが全開という感じではなく、冒頭の3回転ルッツは「ノット・クリア・エッジ」の判定でGOE(出来ばえ点)加点は伸びなかった。それでもスピンとステップはすべてレベル4にして加点を稼ぎ、優勝した昨季の四大陸選手権でマークした自己最高得点を上回る71.69点を獲得。坂本花織に次ぐ2位スタートとなった。

 好発進ではあったが、千葉は「まだ半分が終わったわけではなく、本当の順位が決まるフリーが本番」と気を引き締めていた。

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