村元哉中・高橋大輔「かなだい」に続けるか? アイスダンス「あずしん」「うたまさ」が感じた世界との距離 (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

【あずしんは逆境のなかの演技】

 一方、村元哉中と高橋大輔の「かなだい」が日本でセンセーションを巻き起こしたあと、日本勢は世界でどの位置にいるのか?

「あずしん」と呼ばれる田中梓沙と西山真瑚のカップルは151.27点で10組中10位だった。しかし、結果以上の成果と言える。田中はケガで練習ができない状況から、大会を戦い通した。

「今回出場する決断をした梓沙ちゃんが、昨日今日のMVP。『ありがとう』っていっぱい言いたいです」

 西山はそう振り返る。

「10月末の東日本(選手権)でフリー当日から(ろっ骨の)痛みがあったようで。NHK杯に出られるか、出なかったらどうか、出て悪化しないのか。そのなかで本当にいろいろあって、日本の病院で診察してもらってやってみる決断になりました」

 当然、ぶっつけ本番だったが、苦難を乗り越えたことで、あずしんは力を身につけたはずだ。

「東日本が終わってから、フリーは滑っていなくて。今日(11月9日)の公式練習から滑り出したので、それで滑りきれたのはうれしいです。でも貴重な舞台で、コンディションを合わせられず......」

 田中は悔しさに悶えたが、カップルらしく西山が引き取った。

「今度こそふたりで整えて、『やったよ』っていう演技ができればと思います!」

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