高橋大輔は指導者としては超ストイック? 次世代への継承を長光歌子と考える (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki

【"高橋コーチ"は超ストイック?】

ーーそのエキシビションの演技を、当時、今の長光先生の教え子である三宅星南選手がリンクサイドで見ていたそうですね。さまざまな思いが受け継がれているような気がします。

 星南は(壁越しで)届かないほど小さかったので、持ち上げてもらって大輔を見たそうです(笑)。ヒップホップの『ブラックスワン』だったんですが、それに感動して「高橋大輔さんのようになりたい!」と憧れたらしいです。

 先日、星南が取材を受けていましたが、「最初の引退会見で、『ご苦労様でした』の花束を(高橋に)渡す役をしたんですが、その時の自分に言ってあげたいです。大輔さんと同じリンクに立てるんだから、お前何も心配してなくていいよって』と。

ーー昨年の西日本選手権では、高橋さんが三宅選手の臨時コーチについていますね。

 私は吉岡希が出場するスケートアメリカに帯同しました。それが西日本の一週間前で、しかも星南は近畿選手権でねん挫してしまいましたから、留守中の彼の練習が心配で......。そこで大輔に「見てもらえないか」と頼んだら、「関大に顔を出す用事があるし」って引き受けてくれて。金、土、日曜と、「できたら西日本も来てくれたらありがたい」って。彼が星南を見てくれたんですよ。

ーー"高橋コーチ"は、名指導者の目から見てどうでしたか?

 私、恥ずかしくて......。大輔は、星南にスケジュール管理から徹底していました。たぶんアイスダンスをやった時、(ズエワ・)マリーナ先生からメソッドを細かく指導されたんだと思うんですが、起床から就寝まで細かく、どのタイミングで食べ、どのたんぱく質をとるか、何種類とるか。(アイスダンサーとして)身体を大きくしたりするのに、そこまで細かくやる必要があったんでしょう。

 星南が「試合前のおにぎりはコンビニでいいんですか?」と大輔に聞いたら、「むすんだほうがいいな」って。お姉ちゃんにおうちでおにぎりをむすんで試合会場に届けてもらいました(笑)。

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