高橋大輔「すべてここにつながっていた、と言えればいいな」 かなだいは「運命」とも思えるプログラムで国別対抗戦へ (2ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Kyodo News

●「すべてここにつながっていた、と言えればいいな」

 3月、埼玉で行なわれた世界選手権、かなだいは11位という好成績を収めている。結成3シーズン目のカップルとしては快挙だった。

 アイスダンス史上日本勢最高タイの順位だ。とりわけ、10位に入ったフリーダンス(FD)『オペラ座の怪人』は、大勢のファンの記憶に焼きついた。

「(曲の)世界観に入り込むことができて、エネルギーを切らさず、久々の感覚でした。プレッシャーもありましたが、納得の演技で、『やっとできた!』って。3シーズン、ここまで納得した演技は初めてでした。それを世界選手権で出せたのがうれしい」

 世界選手権後、高橋は喜びに満ちていた。そして大会後、かなだいは充実した2週間を過ごしたようだった。

「世界選手権終わって2週間、自信を持って、楽しく練習できてきていますね。(国別対抗戦の)会場に入ってからも、身体が動いていました」

 村元はそう言って、手ごたえを感じていた。

 取材エリアでは、かなだいの過去と現在を運命の糸のように結びつけようとする質問が多かった。

 東京体育館での2007年世界選手権で、高橋が『オペラ座の怪人』を滑って初めてメダルを獲ったが、そのプログラムに感動したのが少女時代の村元だった。

 その巡り合わせに何か意味があるのではないかーー。

「まさか16年ぶりに、とは思っています。全然、狙っていたわけではなかったのですが(笑)。終わったあとに、すべてここにつながっていた、と言えればいいな、と思っています」

 高橋は大会に向け、淡々と意気込みを語った。"運命"だとすれば、それは終わったあとに感じるものだ。

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