高橋大輔「すべてここにつながっていた、と言えればいいな」 かなだいは「運命」とも思えるプログラムで国別対抗戦へ (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Kyodo News

●縁がつながる国別対抗戦へ

 世界選手権後、かなだいは日本国内にとどまってトレーニングを続けてきた。マリナ・ズエワコーチがアメリカに帰国したため、与えられたプランをこなしてきたという。

 ふたりきりだっただけに、メンタル面での難しさはあったようだが、「どう過ごすのか」という問いにふたりで向き合って、着実に練習を積み上げてきた。

 一方でズエワコーチの推薦もあって、高橋がシングル時代を二人三脚で戦った長光歌子コーチが、リンクサイドに立つことになった。師弟が再び組むのも、ひとつの運命か。

 高橋は20年近く、フィギュアスケートの最前線で戦ってきただけに、こうした縁の中心にいる。何かに導かれるようなスケート人生だ。

「断られるかな、と思ったんですが、お願いしたら『喜んで』って言ってもらえたんで。一緒に試合の場に立てるのはうれしいです!」

 高橋の言葉だ。

 国別対抗戦は順位がポイントになるが、焦っても空回りするだけだろう。まずは、自己ベストへの挑戦が基本になる。

「世界選手権、リズムダンスは100%ではなかった」とふたりは口をそろえるだけに、リズム、フリーのふたつをそろえるのが目標だ。

 4月13日夕方、ふたりはまずRDでラテンダンスを踊る。ライバルは、アメリカ、カナダ、イタリア、フランス、韓国。日本チームの先陣を切る格好だ。

「ふたりとも顔が濃いので、ラテンダンスとかは合うかも。面白いかもしれませんね」

 2019年9月にカップル結成を発表した時、村元はそう語っていた。3シーズン目の結実に、ラテンダンスでも最高の演技をーー。それも、ふたりにとっては運命になるだろう。

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