宇野昌磨は「安定しており実力的に一歩抜けている」 本田武史が語る世界選手権の見どころ (2ページ目)
【男子の3位争いはし烈】
男子では、宇野選手が安定しており、実力的に一歩、抜けていると思います。トップ争いに絡んできそうなのはやはりマリニン選手。急成長中の彼がショートプログラム(SP)とフリーをしっかりまとめてきた時に、どういう結果になるかを見てみたいですね。また、今季のグランプリ(GP)大会では4回転アクセルを成功させていますが、世界選手権で成功した者はまだいないので、そこにも注目が集まるでしょう。
順当にいけば金メダル争いは昌磨選手とマリニン選手のふたりに絞られそうですが、3位争いはし烈を極めるでしょう。先日の四大陸選手権で銀メダルのキーガン・メッシング選手(カナダ)もよかったですし、山本草太選手と友野一希選手の日本勢も含めて、SPとフリーをそろえて決められた選手がメダルを手にできると思います。
男子の戦いで注目点は、やはり4回転ということになります。その種類の多さが目立つと思いますが、難易度の高いジャンプ構成を組みながら、スピンやステップなど、まとまった演技ができるかが勝負の大事なポイントになってくるはずです。その点で言えば、女子以上にハラハラドキドキするような展開が繰り広げられるでしょう。
もちろん、『りくりゅう』(三浦璃来、木原龍一組)カップルのペア優勝も見たいし、アイスダンスの村元哉中選手、髙橋大輔選手にも頑張ってほしいですね」
五輪を頂点とする4年サイクルの最初のシーズンでもある今シーズンは、いくつかルールの変更があった。その影響についても聞いた。
「得点の傾向について言うと、今季前半戦の試合では、大きなミスがあるとコンポーネンツ(演技構成点)が下がる傾向がありました。ただし、5つから3つに項目が少なくなった演技構成点ですが、ファクター(係数)が上がっているので、それほど大きな差は出ていないです。
今季の男子で、合計300点超えは昌磨選手だけでした。その点ではやはり高得点が出にくくなっていると思います。点数の出し方がちょっと違ってきたように感じます。演技構成点で9点台後半が出にくくなっていることもあり、SP100点、フリー200点という得点がなかなか出にくくなっている。各項目で9.5点以上が出ないと、なかなか高得点につながらないと思うので、全体的には点数の出し方が厳しくなっているのかなと思います。
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