「羽生結弦くんが言っていたように、プロ活動にはいろんな形があっていい」。日本女子の第一人者、佐藤有香さんが「プロの世界」を語る (4ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha

『この人がいい演技をしたら、この人もいい演技をした』というのがあって、みんなオリンピックチャンピオンばかりじゃないですか。その集中力といったらすごくて、人並み外れた力を出す人たちばかりがいた。それが何カ月も続くわけです。

 そのなかに入ってみて、『なんて自分は力不足なんだろう』と思って、どうやったら自分はこの人たちに追いつくんだろうと感じて、そこはかなり長い間戦っていましたけど、すごく刺激的で、ああいう体験ができたことがいまの自分につながっていると思います。フィギュアスケートの世界が、そんなチャレンジに満ちていることがとても重要なのではないかと思います」

【プロフィール】
佐藤有香(さとう・ゆか)
1973年東京都生まれ。フィギュアスケート選手で種目は女子シングル。フィギュアスケートのコーチをしていた佐藤信夫、久美子夫妻の間に生まれ、趣味でスケートを始める。ジュニアの頃から実績を残し、1994年のリレハンメルオリンピックでは5位入賞、同年の世界選手権では優勝し、伊藤みどり以来、日本人二人目の世界女王となった。その後、プロに転向し、主としてアメリカを舞台に活動。日本国内外の選手のコーチや振付師として活躍中。2022年10月、プロスケーターとしての活動終了を発表した。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る